2025年2月28日金曜日

シン・自然観察倶楽部『ツキイチ観察会 2月23日』

なかなか評判が良いみたい。
主に仲間内で…
来月の、いや日が改まったから、
今月の写真展に持って行く、ZINEはこれで良いだろう、もう。
他のZINEを作る気力は、ほぼゼロだし。

表紙

見返し

前書き

1ページ

2ページ

3ページ

4ページ

5ページ

6ページ

7ページ

8ページ

9ページ

10ページ

11ページ

後書 兼 案内

裏表紙

載せた物は、全てS先生に確認を取っていて、
同定もほぼ間違いないことで、
美濃加茂自然史研究会の名前の使用を、許してもらえることに。
おぉ!
どんどん、格が上がっていくぞ!
スライムから、コボルトくらいだけど…

それと、市内の図書館にも置いてもらえるんだって!
instagramなんかやってる暇は無いぞ!!

2025年2月23日日曜日

シン・自然観察倶楽部『ツキイチ観察会 2月23日の速報』

速報を作って、instagramにあげることにした。
そうなんですよ、奥さん。
鳥を見る予定だったんですよ!

小冊子よりかっこよくならないように加減する人

さ、今回は写真が多いから、
4ページ増量で作るとするか!

2025年2月8日土曜日

オオカマキリ

オオカマキリ(Tenodera aridifolia

分類
カマキリ目カマキリ科オオカマキリ

形態的特徴
カマキリ目カマキリ科に属する日本最大のカマキリである。
日本のほぼ全域に分布し、体長は70〜95mmに達する。
体色には緑色型と褐色型があり、周囲の環境に合わせた保護色となっている。
メスはオスより大きく、腹部がふっくらとしている。
前脚は鎌のような形状で、これを使って昆虫やカエル、
時には小型の鳥まで捕食する獰猛な肉食性である。
交尾後、メスがオスを捕食することもある。
一方、オスはメスより体が細く、飛翔能力も持っている。

生息環境と生活史
本種は林縁や草地、田畑の周辺、河川敷、公園など緑の多い場所に生息する。
成虫は主に7月から11月頃に見られる。
卵は冬を越し、春に孵化した幼虫は昆虫などを捕食しながら成長していく。

近縁種との見分け方
チョウセンカマキリとの違い
前脚の付け根の色や後翅の色で識別できる。

ハラビロカマキリとの違い
体の大きさ:オオカマキリ(70〜95mm)の方が大きい。
      ハラビロカマキリは45〜70mm程度である。
体型:オオカマキリはスリムだが、ハラビロカマキリは腹部が横に広く、
   ずんぐりとしている。
羽の特徴:ハラビロカマキリの羽には白い斑点があるが、オオカマキリには見られない。
前脚の構造:ハラビロカマキリの前脚には目立つイボ状の突起がある。
生息環境:ハラビロカマキリは主に樹上性で12月頃まで見られるのに対し、
     オオカマキリは多様な草地や林縁に生息する。
幼虫の姿勢:オオカマキリの幼虫は腹部をまっすぐに伸ばすが、
      ハラビロカマキリの幼虫は腹部を上に曲げる独特のポーズを取る。
卵嚢の形状:オオカマキリの卵嚢は大きく釣鐘型、
      ハラビロカマキリの卵嚢は小ぶりで俵型である。

ムネアカハラビロカマキリとの違い
胸部の色:オオカマキリの胸部は薄い黄色から緑色系だが、
     ムネアカハラビロカマキリの胸部は赤みがかった色をしている。
前脚の突起:ムネアカハラビロカマキリの前脚には小さく多数のトゲ状突起があるが、
      ハラビロカマキリのような大きな突起ではない。
翅の斑点:ムネアカハラビロカマキリの翅には黄色い細長い斑点がある。
体形:ムネアカハラビロカマキリはハラビロカマキリよりスマートで、
   オオカマキリとの中間的な形状である。

分布と生態的影響:ムネアカハラビロカマキリは中国原産の侵略的外来種であり、
         在来のハラビロカマキリの個体数減少を引き起こす懸念がある。
         オオカマキリは在来種で林縁の草地などに多く見られる。
         ムネアカハラビロカマキリは樹上性でハラビロカマキリに似ているが、
         胸の赤みで識別しやすい。
お亡くなりになっていらっしゃる


観察記録
この時期にオオカマキリを見かけたが、すでに死んでいた。
鳥や蟻に食べられることなく自然乾燥した状態で残っているのは、
極めて珍しいことである。

観察会での豆知識
カマキリの視力について:カマキリは昆虫の中では珍しく、立体視ができる。
            両眼視によって獲物との距離を正確に測り、
            鎌状の前脚で確実に捕獲する。

卵嚢の耐寒性:カマキリの卵嚢は泡状の物質で包まれており、
       これが断熱材の役割を果たして厳しい冬の寒さから卵を守っている。
       一つの卵嚢には100〜200個もの卵が入っている。

緑色型と褐色型の決定:カマキリの体色は、終齢幼虫の時期の環境によって決まる。
           緑の多い環境では緑色型に、枯草の多い環境では、
           褐色型になる傾向がある。

首の可動域:カマキリは昆虫の中で唯一、首を180度回転させることができる。
      これにより周囲を広く見渡すことが可能である。

外来種問題:ムネアカハラビロカマキリは2000年代以降に日本で確認され、
      現在急速に分布を拡大している。
      在来種との競合が懸念されており、
      見つけた場合は自治体や研究機関への情報提供が推奨される。

2025/01/26
岐阜県美濃加茂市山之上町7559番地(みのかも健康の森)
メッシュコード 5337-2002
緯度・経度 35.503349・137.024979

自分用メモ

2025年2月7日金曜日

ホソバオキナゴケ

ホソバオキナゴケ(Leucobryum juniperoideum

分類
マゴケ網 シッポゴケ目 シラガゴケ科 シラガゴケ属

形態と特徴
ホソバオキナゴケは、乾燥時に白っぽく見えるクッション状の塊を形成するコケである。
和名は「翁の白髪」に由来し、その銀白色の美しい姿から名付けられた。

茎の長さは2〜3cm程度で、
葉は卵形から披針形(先端が尖る形状)をしており、
密に重なり合って生育する。
乾燥しても縮れにくいという特性を持ち、
色合いはロマンスグレーや白緑色を呈する。
この乾燥耐性は、コケが持つ特殊な細胞構造によるものである。

観察のポイント
葉を一枚取って透かして見ると、
透明な細胞(透明細胞)と緑色の細胞(葉緑細胞)が規則正しく並んでいるのが確認できる。
この二重構造こそが、ホソバオキナゴケが白く見える理由である。
透明細胞が水を蓄え、光を反射することで独特の白色を生み出している。

分布と生息場所
日本では北海道から九州まで広く分布し、
主に山地の地上や針葉樹の根元などに自生する。
海外では中国、朝鮮半島、東南アジアをはじめ、
ヨーロッパやマダガスカルなど広範囲に分布している。
比較的標高の高い場所を好み、湿潤で涼しい環境に適応している。

豆知識
同じシラガゴケ属には「オキナゴケ」という近縁種が存在する。
ホソバオキナゴケは葉が細く直立するのに対し、
オキナゴケは葉がやや幅広く、より大型である。
野外観察では両者を見比べることで、種の同定スキルを高めることができる。

利用と観賞
ホソバオキナゴケは「ヤマゴケ」や「マンジュウゴケ」という通称でも呼ばれ、
苔庭、盆栽、テラリウムなど園芸用途で広く利用されている。
京都の苔寺(西芳寺)などの名所でも観察することができ、
日本の伝統的な庭園文化において重要な役割を果たしてきた。

文化的背景
日本庭園において「苔」は「侘び寂び」の美意識を表現する重要な要素である。
特にホソバオキナゴケの白銀色は、
時間の経過と自然の営みを象徴するものとして、
古くから茶人や庭師に愛されてきた。
苔まんじゅう


【テラリウムでの栽培と管理】

基本的な環境条件
ホソバオキナゴケの栽培には、直射日光を避けた明るい日陰、
または間接光の当たる場所が適している。
室内ではレースカーテン越しの窓際が理想的である。

高温を避け、涼しく湿度のある環境を保つことが望ましい。
特に夏季の強い日差しや乾燥には注意が必要である。
コケは維管束を持たないため、環境の変化に敏感であり、
急激な温度変化や乾燥はダメージの原因となる。

栽培の豆知識
コケには根がなく、仮根と呼ばれる構造で基質に固着しているだけである。
水分や栄養は葉の表面から直接吸収するため、
空中湿度の管理が生育の鍵となる。

水やり
テラリウム内では週に1回程度、霧吹きで全体を湿らせるように水やりを行う。
密閉容器の場合は水が蒸発しにくいため、水やり頻度は少なめで構わない。

水のやりすぎは容器の底に溜まってしまうため、
適宜傾けて余分な水を捨てるなど調整が必要である。
乾燥して元気がないと感じた場合は、水やりの回数を増やしたり、
容器のフタを開けて通気性を確保したりするとよい。

水質について
できれば雨水や浄水を使用することが望ましい。
水道水を使う場合は、一晩汲み置きしてカルキを抜いてから使用すると、
コケへのストレスを軽減できる。

肥料
コケは基本的に肥料をあまり必要としない植物である。
元気がなくなった場合には、
薄めた液体肥料(ハイポネックス原液の1000倍程度)を霧吹きで与えるとよい。
ただし、過剰な施肥は藻類の発生を招く原因となるため、
控えめにすることが重要である。

管理のポイント
コケが伸びすぎて密集してきた場合は、トリミング(剪定)を行い風通しを良くする。
これによりカビや腐敗を防ぐことが期待できる。

容器内部の湿度が高すぎる場合は、時々フタを開けて換気し、
カビの発生を防止する。
容器のガラスが曇ると中の様子が見えにくくなるため、
軽く拭き取って清潔に保つことも重要である。

トラブルシューティング
コケが茶色く変色した場合は、日照が強すぎるか、乾燥しすぎている可能性がある。
逆に黒ずんだ場合は、過湿や通気不良によるカビの発生が考えられる。
環境を見直すことで回復することが多い。

まとめ
ホソバオキナゴケは、湿度管理と適度な明るさを保てば、
テラリウムで比較的育てやすいコケである。
定期的な霧吹きによる水やり、適切な換気、伸びすぎた部分のカットにより、
美しいコケの状態を維持することができる。
肥料は控えめにし、環境変化に応じた柔軟な管理を心がけることが、
長期的な栽培成功の秘訣である。

最後に
コケの観察は、小さな世界に目を向ける訓練となる。
ルーペや顕微鏡を使えば、さらに詳細な構造を観察することができ、
コケの多様性と巧妙な生存戦略に驚かされるであろう。
観察会では、参加者と共にこの小宇宙を探索する喜びを分かち合いたい。

2025年2月6日木曜日

御嶽山

御嶽山の豆知識

位置と地形
御嶽山(おんたけさん)は、長野県と岐阜県の県境に位置する
標高3,067mの独立峰である。
北アルプス南端、乗鞍火山帯の南端に位置し、
広大な裾野を持つ複合成層火山として知られている。

主峰の剣ヶ峰を中心に、摩利支天山、継子岳、継母岳などのピークが連なり、
山頂部には火口湖(一ノ池から五ノ池まで)が並んでいる。
これらの火口湖は火山活動の痕跡であり、
特に二ノ池は標高約2,905mに位置する日本最高所の湖として知られている。

【豆知識】
複合成層火山とは、溶岩流と火山灰が何層にも重なってできた火山のことである。
御嶽山は約80万年前から活動を始めたとされ、
長い年月をかけて現在の姿を形成してきた。

信仰の歴史
御嶽山は古来より修験道の霊峰として信仰の対象となってきた。
富士山・白山・立山と並んで「日本三霊山」の一角とされることもあり、
日本有数の霊山である。

平安時代から鎌倉時代、江戸時代にかけて、
登拝や先祖供養、死後の安寧を願う風習、修行が盛んに行われてきた。
特に江戸時代には御嶽教が成立し、
現在も聖地として多くの信仰者が訪れている。

【豆知識】
山頂周辺には多数の石碑や霊神碑が建てられており、
これらは「霊神碑」と呼ばれる先祖供養のための碑である。
信仰登山の際に、講(信仰集団)ごとに建立されたものが多く、
その数は数千にも及ぶといわれている。

火山活動の歴史
御嶽山はかつて死火山と考えられていたが、
1979年に突如として水蒸気爆発を起こし、活火山であることが明らかになった。
さらに2014年9月27日には、戦後最悪の火山災害となる噴火が発生し、
多数の登山者が犠牲となった。

現在も火山活動は継続しており、
時折噴煙が確認されることがある。
まさに今も生きている「お山様」なのである。

【豆知識】
水蒸気爆発とは、マグマの熱によって地下水が急激に蒸発し、
その圧力で爆発的に噴出する現象である。
マグマ本体が噴出する噴火とは異なり、予測が困難とされている。
御嶽山の2014年噴火では、噴石や火山灰が突然噴出し、
山頂付近にいた登山者を襲った。
晴れて良かった


自然と景観
御嶽山の山麓には原生林が広がり、
標高を上げるにつれて高山植物が見られるようになる。
「滝の山」という別名があるほど、
山域には多数の滝が存在し、豊富な水量を誇る。

晴れた日には、遠方からでも御嶽山の雄大な姿を眺めることができる。
時折、噴煙のようなものが確認できることもあり、
火山としての活動を実感させられる。

【豆知識】
 御嶽山周辺では、コマクサ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイなどの
高山植物が見られる。
また、ライチョウの生息地としても知られており、
運がよければ観察できることもある。
なお、現在も噴火警戒レベルに応じた入山規制が行われているため、
訪れる際には最新の火山情報を確認する必要がある。

2025年2月5日水曜日

アセビ

アセビ(Pieris japonica subsp. japonica)

分類
 キク類 ツツジ目 ツツジ科 スノキ亜科 ネジキ連 アセビ属

名前の由来と毒性
アセビは漢字で「馬酔木」と書く。
この名は、葉に含まれる有毒成分をウマが食べると、
毒に当たって苦しみ、酔ったようにふらつくことに由来するとされる。

有毒成分は葉だけでなく、花、実、枝、根を含む全草に含まれている。
主な毒成分はアセボトキシンやグラヤノトキシンなどのジテルペン類である。
これらの毒はウマだけでなく、ヒトや犬猫にも有害であるため、
取り扱いには十分な注意が必要だ。

観察ポイント
 多くの草食動物はアセビを忌避するため、食べ残される。
そのため、シカなどの草食動物が多い地域では、
他の植物が食害を受ける中、アセビだけが目立って多く生育している光景が
しばしば観察される。
これは自然界における植物の防御戦略の好例である。

形態的特徴

アセビは常緑広葉樹の低木から小高木で、
樹高は1.5〜5メートルほどになる。
自生するものの中にはかなり大型の個体もあり、
樹齢100年から200年に達する老木も各地で見られる。

葉は枝の先端に集まってつき、
長さ3〜8センチメートルの長楕円形から倒披針形を呈する。
葉縁には細かい鋸歯があり、葉身は深緑色で厚く、表面には光沢がある。
春の芽吹きは赤みを帯びて美しく、遠目にもよく目立つ。

観察ポイント
早春(2月下旬〜4月上旬)に、白色またはピンク色の壺形の花を総状花序に多数つける。
スズランに似た可憐な花は、まだ他の花が少ない時期に咲くため、
春の訪れを告げる花として親しまれている。
少し早く開花していた


文化的背景
アセビは万葉集にも詠われており、古くから日本人に親しまれてきた植物である。
特に有名なのは、大伯皇女(おおくのひめみこ)が
最愛の弟である大津皇子を亡くした際に詠んだ歌である。

「磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が ありと云はなくに」

(意訳:磯のほとりに生えている馬酔木を手折って見せたいけれど、
見せるべきあなたはもういないのだ)

この歌には、美しいアセビの花を見ても、
それを共有できる人を失った深い悲しみが込められている。

補足情報
庭木や公園樹としても植栽され、園芸品種も多数作出されている。
有毒性を利用して、かつては殺虫剤として葉の煎汁が用いられた歴史もある。

2025年2月4日火曜日

コアカミゴケ

コアカミゴケ(Cladonia macilenta Hoffm.)

分類
チャシブゴケ目 ハナゴケ科 ハナゴケ属

分類と基本特性
コアカミゴケは、ハナゴケ科ハナゴケ属に属する地衣類である。
名前に「コケ」とあるが、コケ植物ではなく、
菌類と藻類が共生して形成された生物である。
この共生関係において、菌類は保護と水分保持の役割を担い、
藻類は光合成により栄養を供給する。
この効率的な栄養摂取システムにより、
貧栄養環境でも生存が可能となっている。

形態的特徴
本種の最大の特徴は、高さ約10〜30mm(1〜3cm程度)の
樹枝状の体の先端に形成される鮮やかな赤い子器である。
その姿はまさにマッチ棒を思わせる独特の外観を呈している。
この赤い子器の形状があまりにも特徴的であるため、
「モンローリップ(魅惑の唇)」という愛称で呼ばれることもある。

生態と分布
生息地は腐植土の多い地上、岩上、風雨にさらされる朽木の切株などである。
日本全国および北半球の温暖帯に広く分布している。

繁殖メカニズム
子器は胞子を生産する生殖器官である。
ここで形成された胞子が飛散し、新たな環境で発芽する。
ただし、地衣類として成長するためには、
発芽後に親と同じ共生藻を見つけて共生関係を確立する必要がある。
この複雑な繁殖システムは、地衣類特有の生活史として興味深い。
魅惑の唇


観察のポイント
【類似種との識別】
よく似た種として、イオウゴケ(Cladonia vulcani)が挙げられる。
イオウゴケは硫黄が噴出する火山地帯の近くに生息し、
同様の赤い子器を持つが、生育環境が大きく異なるため、
観察地の環境条件が識別の手がかりとなる。

【観察会での豆知識】
- 地衣類は「菌類が藻類を栽培している」と表現されることもあり、
 自然界における最も古い共生関係の一つである
- 空気汚染に敏感な種が多く、環境指標生物としても利用される
- 成長速度は極めて遅く、年間数ミリ程度しか成長しないものもある
- 乾燥すると休眠状態になり、水分を得ると再び活動を再開する驚異的な生命力を持つ
- 赤い色素は紫外線から保護する役割も果たしている可能性が指摘されている

2025年2月3日月曜日

シュンランの蕾

シュンラン(Cymbidium goeringii

分類
キジカクシ目ラン科セッコク亜科シュンラン連シュンラン属

概要
シュンランは日本を代表する野生ランである。
春に花を咲かせることから「春蘭」の名が付けられた。
北海道から九州まで広く分布し、
主に里山や人里に近い山地の雑木林などに自生する。
清楚で可憐な姿が特徴で、
春の訪れを告げる植物として古くから人々に愛されてきた。

形態的特徴
シュンランは常緑の多年草である。
地下にバルブ(偽球根)を持ち、これが栄養の貯蔵庫として機能する。
葉は細長く、縁には鋸歯が見られる。

花は春に1茎に1花(まれに数花)を咲かせる。
花は緑色の萼片と白色の花弁からなり、
唇弁と呼ばれる部分には紫色の斑紋が見られることがある。
花は地味で目立ちにくいが、下から覗き込むとその繊細な美しさを実感できる。
開花後には果実がつく。

利用と文化
古くから日本や中国では観賞用として栽培されてきた。
また、花を塩漬けにして「蘭茶」として飲むなど、
食用にも利用されてきた歴史がある。

保全上の課題
近年、自然環境の変化や乱獲により個体数は減少傾向にある。
無断での採取は環境破壊や個体数減少の直接的な原因となるため、
絶対に避けるべきである。
春待ち中


栽培について
栽培は極めて困難である。
シュンランは菌根菌と共生関係にあり、
菌類の菌糸から栄養素を摂取する。
このため、単体での発芽・育成は非常に厳しい。
栽培を試みる場合は、適切な共生菌の存在が不可欠である。

2025年2月2日日曜日

ナンカイヒメイワカガミ

ナンカイヒメイワカガミ
(Schizocodon ilicifolius var. nankaiensis)

分類
キク類 ツツジ目 イワウメ科 イワカガミ属

概要
ナンカイヒメイワカガミは、一般的なヒメイワカガミに比べて葉が小さく、
鋸歯の数が少ないことで知られる常緑多年草である。
主に東海地方から和歌山県周辺の低山や丘陵地の林下に分布している。

形態的特徴
草丈は10〜20cm程度である。
葉は卵円形から円形でやや小型、長さ2〜6cm、幅1.5〜5cm程度である。
葉先は尖っており、縁の鋸歯は3〜6対と比較的少ない(ヒメイワカガミでは8〜18対)。

花期は4〜5月頃で、花色は白色が多いが淡紅色のものもある。
花は数個が花茎先端に付き、鐘形を呈する。

分布と生育環境
本州中部の静岡県西部から愛知県、紀伊半島など
東海地方から和歌山県周辺に分布する。
主に林下の岩上や斜面などに生育する。

類似種との区別
ヒメイワカガミ(本州中部以北)やヤマイワカガミと比較すると、
葉が小さく鋸歯が少ない点で区別される。
白花が多いが淡紅色も見られ、ヤマイワカガミとの中間型も存在する。

保全状況
日本固有種であり、岐阜県では絶滅危惧種に指定されている。春
の林床でひっそりと咲く繊細な草花として、自然観察でも人気が高い。
花の時期が終わっていた


観察記録
今回の調査では、花期が終わっていた。
確認できた個体は、狂い咲きしたものと思われ、
花は変色してしぼんでいた。
葉はまだ赤黒く、冬の寒さに対応した状態のままであり、
緑色には戻っていなかった。
まだ緑じゃない


本来の開花期は4〜5月であるため、
他の場所ではこれから開花する可能性がある。

2025年2月1日土曜日

メジロの巣

【メジロの巣の特徴と観察のポイント】


の構造と特性
メジロの巣は小さくて薄いが、極めて精巧に作られている。
主に細い枝の二股部分に、クモの糸を使ってハンモック状に繊維や苔、樹皮などを
巧みに巻きつけ、椀状に形作られる。
巣の壁は透けるほど薄いものの、
クモの糸の強度によって卵やヒナをしっかりと支えている。

巣のサイズはテニスボールからソフトボール程度である。
メジロは3〜5個の卵を産み、孵化から巣立ちまでには約10〜13日を要する。
巣立ち後には、巣が薄く風通しの良い構造であることがよくわかるが、
これも自然の工夫の一つといえるだろう。

営巣場所の選択
巣は地面から約1メートルの高さに作られることが多い。
この低い位置での営巣は一見危険に思えるが、
実は人の近くに巣を作ることで、
カラスやヘビなどの天敵が近寄りにくくなるという利点がある。
人の生活圏に巣をかけることも珍しくないのだ。

親鳥の子育て
親鳥は巣を清潔に保つため、ヒナの糞を口にくわえて巣の外に捨てる習性がある。
餌探しに忙しい親鳥の羽はみすぼらしくなりやすいが、
それは子育てのために命を削っているサインである。

巣立ちの直前には、ヒナが巣からあふれんばかりに大きく成長し、
巣の底が破れることもある。
それでも無事に巣立つことができるのは、クモの糸の強度のおかげだ。
クモの糸は鋼線の4〜5倍もの強度があり、
巣のしなやかな強度に大きく貢献している。

ただし、梅雨の季節は大雨で巣が崩れやすく、
親鳥にとって大変な時期でもある。

1mの高さ?


観察時の注意点
これらの特徴や習性を知ることで、
メジロの巣を見つけた際に無用な心配をせず、
自然の営みを静かに見守ることができる。
営巣中や子育て中は、遠くから控えめに観察することが望ましい。

ヒナを拾わないで
野鳥のヒナが落ちていると、どうしても保護したくなるものである。
しかし、それをしてしまうと親鳥は諦めてしまうため、絶対にやめてほしい。
日本野鳥の会でも、ヒナを拾わないよう注意喚起している
自然の営みを尊重し、見守る姿勢が大切である。