2020年5月3日日曜日

Studiolo『オオスズメバチ』

オオスズメバチ(Vespa mandarinia)

昆虫網
ハチ目
スズメバチ科
スズメバチ亜科
スズメバチ属
オオスズメバチ

基本情報
日本の在来種で、北海道から九州まで分布する世界最大級のスズメバチ。
働きバチで27〜38mm、女王バチで40〜50mmに達し、
土中・樹洞・朽ち木などの閉鎖空間に営巣する。
現場での同定ポイントは体の大きさ・幅広い頭部・オレンジと黒の縞模様の三点。
北米では外来種として根絶作戦が展開され、
2024年12月にワシントン州での根絶が正式発表されている。
「日本では在来、海外では外来」。

生活史と危険との向き合い方
5月ごろ越冬女王が単独で巣作りを始め、
秋にコロニーが最大規模(数百〜千匹超)に達して終息する。
巣は一年限りの使い捨てで翌年再利用されることはない。
攻撃の多くは巣の防衛が目的で、刺すのは最終手段。
黒い服・強い香りを避け、巣を見つけたら静かにゆっくり離れること。
8〜10月はコロニーが最大規模になり餌も減るため攻撃性が高まる。
秋は特に「近づかない季節」と覚えておきたい。

使える豆知識
「翌年、同じ巣には戻らない」と伝えるだけで参加者は安心する。
また、成虫は固形物を飲み込めず、
幼虫から消化済みの栄養液をもらって生きているという
「栄養の循環」は子どもにも大人にも反応がよい。
頭楯の突起数が、オオスズメバチは2個で種の識別に使えるという話も、
分類好きにはとても刺さる豆知識だ。

日本の文化との関係
長野・岐阜などの山間地では幼虫や蛹を食べる
「蜂の子」の文化が今も続く。
タンパク質豊富な郷土料理として珍重され、
甘辛く炒めた佃煮などは地域の味として定着している。
採取は地元の熟練者でなければ難しい命がけの作業だ。
一方で「危険な害虫」として駆除の対象にもなる。
恐れながらも食文化に組み込んできた、
日本独特の距離感がこの虫の面白いところだ。

飼育と近年の動向
愛玩目的の飼育は環境省により禁止されている。
特定動物としての飼育には厳格な許可が必要で、
一般の趣味としては法的にも現実的にも不可だ。
近年は暖冬の影響で越冬女王の生存率が上がり、
都市近郊や寒冷地でも営巣報告が増えている。
気候変動を映す指標的な昆虫でもある。
「刺すのは防衛の最終手段。巣の場所と季節を読む」

昨年の初夏、女王バチを捕獲したので標本化。
それのUV光による撮影を試みた。


眼がUV光を強く反射しているのが分かる。
恐ろしくかっこいい。
お尻

意外なことに、,お尻部分も反射が見られる。
毒針のある先端のみ、強い反射が確認できた。
生きたままでこれらを観察するのは、極めて困難なので、