2025年6月4日水曜日

オオホシカメムシ

オオホシカメムシ(Physopelta gutta

カメムシ目
カメムシ亜目
カメムシ下目
ナガカメムシ上科
オオホシカメムシ科
オオホシカメムシ属
オオホシカメムシ

『顔』

オオホシカメムシは,日本全国の本州,四国,九州,屋久島,南西諸島など,
沿岸から低山地にかけて広く分布するカメムシの一種.
体長は約15〜20mm,全体的に橙褐色の体色に,前翅には大きな黒い斑点が特徴的.
主に昼行性で,アカメガシワなどのトウダイグサ科の植物の汁を吸う植食性.
新成虫は9月頃に羽化し,成虫のまま林床の落ち葉の下で単独越冬.
昆虫の死骸からも吸汁する雑食傾向もあり,
ミカンなど柑橘類の果樹にも飛来することがある.
性差は外見上ほぼなく,雌は雄よりわずかに大きい程度.
行動は比較的活発だが,速くはなく,灯火にも群れず単独で飛来することが多い.
天敵はカマキリ類やキリギリス,クモ類など捕食性の昆虫やクモが多い.


豆知識
オオホシカメムシは幼虫も含めてアカメガシワの花穂に群生することが時としてあり,
それは他の植物の汁も吸うので植食性の強い雑食性であること.
また夜間には灯火に飛来する習性があるが,
群集性はほとんど見られず単独行動を好む.
不完全変態で,卵から幼虫を経て成虫になるが,幼虫は翅がなく主に樹液を吸っている.
越冬は成虫で単独に林床の落ち葉の下に潜り込んで行う.

オオホシカメムシは一般にカメムシ特有の強烈な悪臭を出さないと言われている.
実際に触ったり押さえつけても,嫌なにおいを発することはほとんどなく,
飼育などでも臭いを気にせず観察できるタイプ.
カメムシの中でも臭いが強い種は一部に限られることが知られており,
オオホシカメムシはその中には含まれていない.
臭腺は成虫の腹面の中脚と後脚の付け根付近にあり,
臭い物質を発散することがあるが,匂いは非常に弱いかほぼ無臭に近い.

最近の危惧について
農家や農業関係者からはミカンなどの柑橘類への加害を懸念される場合があるが,
現在のところ大規模な農作物被害の報告は少ない.
周辺の分布拡大とともにモニタリングが必要.
環境変動や人為的な環境変化による生息地の減少,
あるいは越冬に適した落ち葉などの減少により,
地域によっては個体数が減少する可能性もある.
農作物への被害の増加を防ぐために,定期的な観察と天敵の保護が重要.

2025/05/25
岐阜県美濃加茂市山之上町7559番地(みのかも健康の森)
メッシュコード 5337-2002
緯度・経度 35°30'13.8"N 137°01'42.1"E

自分用メモ
オオホシカメムシ(虫ナビ)
オオホシカメムシ(昆虫エクスプローラー)

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