オサムシ(Carabidae)
(ミカワオサムシ亜種 ミノオサムシと思われる)
コウチュウ目
オサムシ亜目
オサムシ上科
オサムシ科
オサムシ亜科
…
ここから先は生殖器を引っこ抜いて(ゲニ抜き)顕微鏡で調べないと判らない。
多分ミカワオサムシの亜種である,ミノオサムシだと思う.
翅を持たないため,飛行して移動することが無く,
その地域に特化した亜種が非常に多い.
主として地上を歩き回る肉食の甲虫で,美しい色のものが多い.
オサムシの生態と特徴
今回のオサムシは雑木林やその周辺に生息し,幼虫も成虫もミミズを主食としている.
成虫は越冬態で,特に崖の肩部分などで越冬することが多い.
越冬後は交尾して産卵を行う.
体長は21~31ミリ,色彩は赤銅色から暗銅色が一般的.
黒色や緑色,青みを帯びた個体もいる.
脛節とふ節は黒色が多いが,暗赤褐色の個体も存在する.
生息環境は森林や河川敷,海岸近くから山地まで幅広い.
ミカワオサムシには7亜種が知られていて,
今回はそのうちの一種,ミノオサムシではないかと思われれる.
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後ろ姿 |
ミカワオサムシの仲間はミミズを主食とする珍しいオサムシで,
幼虫も成虫も同じエサを食べる.
越冬は成虫で行い,土中の崖の肩など特定の場所で冬を越すため,
観察するときはその場所に注目するとよい.
色の変異が多く,同じ場所でも赤銅色から黒色,緑色,青みがかった個体まで,
バリエーションが豊富.
飛べないため生息環境の連続性が重要で,生息する森の環境指標となることもある.
最近の危惧されていること
一部のミカワオサムシの亜種や類似種では,
乾燥化などの環境変化により生息地が狭まったり,
採集が難しくなっているという報告がある.
特にミカワヤマトオサムシの生息地は乾燥による打撃を受け,
個体数が減少傾向で採集難易度が高まっている.
こうした環境変化はミカワオサムシ全体にも影響を及ぼす可能性があるため,
保全状況に注目が必要.
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肉食で狂暴だが昼間はおとなしい |
(亜種名 学名 分布地域 特徴・備考)
ミノオサムシ(岐阜県南部亜種) Carabus (Ohomopterus) arrowianus minoensis Ishikawa & Kubota, 1994 岐阜県南部濃尾平野近郊 岐阜県南部に限定される亜種で,初採集報告がある.
ヒダオサムシ(岐阜県中北部亜種) Carabus arrowianus hidaosa 岐阜県中部から北部近郊 岐阜県中北部の専用亜種で地域に根ざした存在.
基亜種(ミカワオサムシ基亜種) Carabus arrowianus arrowianus 中部地方から近畿地方東部にかけて 岐阜県内でも広く分布している基亜種.
これらの3亜種は岐阜県内でも分布がやや分かれており,
地域ごとに見られる亜種が異なる.
岐阜県南部ではミノオサムシ,北部にはヒダオサムシ,
その他の地域には基亜種が観察される.
写真の撮り方のコツ
マクロレンズや接写ができるレンズを使用し,ピントをまず眼に合わせる.
その他気が付いたところや,クローズアップしたいところに確実にピントを合わせる.
三脚やレリーズでブレを防ぎ,明るい環境がなければ,
LEDライトやリングライトなどで補助照明を使うのが効果的.
自然光で撮影すると,体色や光沢が比較的忠実に撮れる。
地面のカラフルな落ち葉や緑を背景にすることで,
生息環境も解る、鑑賞価値の高い写真になる.
飛べないオサムシは,とにかく足が速いので,
焦らずゆっくり接近することが重要.
機材とか
推奨機材
カメラ本体:マクロ撮影に強いミラーレス一眼やデジタル一眼レフカメラが望ましい.
レンズ:マクロレンズ(焦点距離90~105mm程度)が最適.
被写体に近づいて細部を鮮明に写すことができる.
三脚:安定した撮影のため必須.特に夜間や低速シャッター時に有効.
素早い動きに対応するため自由雲台が良いかも.
マクロスライダーを使うのもおすすめ.
ライト:リングライトやLEDライトで被写体を均一に照らす.
あるいはフラッシュにディフューザーを付け,均一に照らすようにする.
レリーズまたはリモコン:カメラのブレを防ぐためにあると便利.
カメラ設定のポイント
ISO感度:100~400程度.低ISOでノイズを抑え,暗い場合はライトで補助.
絞り(F値):F8前後で被写界深度を確保し,全体にピントを合わせる.
シャッタースピード:1/100秒以上を目安に,手ブレしない速度に設定.
絞りとシャッタースピードを決めたら,ISO感度で調整するのもあり.
焦点合わせ:マニュアルフォーカス推奨.
と言うか、マクロ撮影時のオートフォーカスはカメラが迷いまくるので,
最初からマニュアルフォーカスの方が早い.
被写体の眼にピントを合わせるのが基本.
ホワイトバランス:自然光に近い設定か、ライトの色に合わせてカスタム設定。
撮影環境のコツ
早朝や夕方の自然光が柔らかい時間帯に撮ると体色の光沢がより美しく出る.
被写体の背景に気を使い,自然の落ち葉や緑の中で撮影すると良い.
2025/05/25
岐阜県美濃加茂市山之上町7559番地(みのかも健康の森)
メッシュコード 5337-2002
緯度・経度 35°30'13.8"N 137°01'42.1"E
自分用メモ
ミノオサムシ
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