2025年6月2日月曜日

ヒルゲンドルフマイマイ

ヒルゲンドルフマイマイ(Aegista hilgendorfi

マイマイ目
オナジマイマイ科
オオベソマイマイ属
ヒルゲンドルフマイマイ

近年,分子系統解析の研究により「Trishoplita」オトメマイマイ属が,
「Aegista」オオベソマイマイ属の新参異名(シノニム)であることが判明し,
結果として学名が「Aegista hilgendorfi」に統合された.

陸産巻貝でマイマイ(柄眼)目オナジマイマイ科に属し,準絶滅危惧種.
殻の高さは約8mm,直径11mmほど.
色は赤褐色から黄褐色の鈍い光沢があり,殻口の外唇はやや厚く広がって淡色.
主に石灰岩地域の高茎草原や,夏季は涼しく湿り気のある落葉広葉樹林帯の林縁草地に生息.
湿り気のある草地のアザミの茎や葉に付着していることが多いが,
生態の詳細はまだ不明な部分が多い.

分布は滋賀県東部,三重県北部,岐阜県中・西部の複数の市町村に確認されており,
岐阜県内では美濃市や本巣市などで記録がある.
減少の主な原因は,樹林の伐採による自然性の高い落葉広葉樹林の減少と乾燥化で,
生息環境が急減している.
また,人里近くでは農薬散布も減少要因になっている.
保全には自然性の高い林を保全し,伐採時には林床の乾燥を防ぎ,
林縁の植生回復を速やかに行うことが望まれる.

昨晩雨が降ってくれたので現れた?


豆知識
ヒルゲンドルフマイマイは,非常に限られた特定の石灰岩地域の涼しい湿った草地にしか見られず,アザミの茎や葉に付着していることが多い.まだ研究が進んでいない珍しい種類.
減少しているので,自然な落葉広葉樹林の保全が求められる.

最新の情報
ヒルゲンドルフマイマイは環境変化と人間活動により生息環境が悪化しており,
今後も保全活動が強く求められている.
岐阜県などでは保護のための具体的な対策が進められている.
雨が止んだ直後が観察のチャンス


高温,乾燥を極端に嫌うので,
それを考慮して観察に行きたい.

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