2025年4月7日月曜日

テングチョウ

テングチョウ(Libythea celtis

チョウ目
タテハチョウ科
テングチョウ亜科
テングチョウ属
テングチョウ

特徴
名前の由来は顔の先が,天狗の鼻のように前方に突き出ていることから.
この部分は「パルピ」と呼ばれ,匂いなどを感知するセンサーの役割を持っている.
パルピが特に長いことがテングチョウの大きな特徴.

羽は表が柿色の模様で,裏面は枯葉のような保護色になっており,
これで冬の間じっと冬越しで耐えている.

幼虫は主にエノキやエゾエノキの葉を食べ,成虫は花の蜜を吸う.

成虫は6月頃に羽化し,暑い夏は夏眠し,秋に再び活動を開始.
成虫のまま越冬して翌春まで生きる珍しい生態を持っている.

分布は日本全国(北海道を除く)で,
平地から山地まで普通に見られ,俊敏に飛び回る.

日本で唯一のテングチョウ亜科に属し,
かつては「テングチョウ科」という唯一の科だったが,分類が変わった.

時々大発生する


最近の懸念・危惧されていること
特別に深刻な絶滅危惧の報告はないが,
平地の里山環境の変化やエノキの減少といった,
生息環境の悪化が懸念されている.

里山の減少や森林構造の変化は,
テングチョウの幼虫の食草であるエノキの分布に影響し,
これが個体数に影響を与える可能性がある.

温暖化の影響で,生息環境や活動時期への影響も注視されているが,
成虫での越冬などの生態的適応力も持ってる.


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