2025年4月6日日曜日

ヒメスミレ

ヒメスミレ(Viola inconspicua subsp. nagasakiensis)

キントラノオ目
スミレ科
スミレ属
ヒメスミレ

ヒメスミレは,本州,四国,九州の民家の周りや石垣,道端などの,
日当たりのいい場所で見られるスミレ.
名前の通り,スミレよりひと周り小さいのが特徴.

スミレと同じく,濃い紫色の花をもち,
長細い葉と左右の花びらには白い毛が生えているのが特徴.
葉を支える葉柄(ようへい)にひれがついていないことで,
スミレと見分けることができる.
ヒメスミレはスミレ科スミレ属の植物で,
都市部でも比較的よく見られる紫色の花を持つスミレ.
花の内側にある模様は,虫に「蜜はここですよ」というサインの役割を果たしていて,
受粉を助けるための巧妙な進化の一部.
名前の由来は、「スミレ」よりも小さい花であることから「姫」の字が付けられている.
花の後ろにある白っぽい「距(きょ)」という部分や,
側弁に毛があることが特徴で,
近縁の「スミレ」や「ノジスミレ」と区別するポイントにもなる.
葉は三角形で外側が少しギザギザしており,春は小さめですが夏になると大きくなる.

また,ヒメスミレは主にハチを受粉媒介者としており,
口の長いハチだけが奥にある蜜を吸える仕組みになっている.
このハチとスミレの関係はお互いに利益があるWIN-WINの関係と言える.

最近の危惧されていることは,特に自然環境の変化や外来種の影響,
里山の衰退やシカの食害などが,生物多様性全体の危機として指摘されており,
ヒメスミレを含む在来の植物群にも影響を及ぼしている可能性がある.
都市部でも見られるヒメスミレだが,自然環境の管理と保全が重要視されている.
確かにいろいろ違う


まとめてみる

花の特徴
花の大きさは1~1.5cmとスミレよりやや小型.
花色は濃い紫色で,スミレより多少薄めに見えることが多い.
花の後ろにある「距(きょ)」は白っぽい色をしていて,
薄い赤紫色を帯びることもある.
側弁(花の内側の横の花弁)に毛が生える.

葉の特徴
葉は三角形で,周囲に少しギザギザ(鋸歯)が見られる.
葉柄には「翼」(葉柄沿いのヒレのような部分)がない.
葉の大きさは春は小ぶりで,夏にかけて大きくなる.

他の似ているスミレとの違い
ホンスミレは距が花色と同様の紫色で,
側弁に毛があるが,葉はヘラ形で葉柄に翼がある.

ノジスミレは距も紫色で細長く,
側弁に毛がなく,花の外側が波打っているのが特徴.

生育環境
ヒメスミレは都市の石垣やアスファルトの隙間,
庭の隅などでよく見られ,やや湿り気のある場所を好む.

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