2025年6月7日土曜日

キリギリス

キリギリス属(Gampsocleis

バッタ目
キリギリス亜目
キリギリス下目
キリギリス上科
キリギリス科
キリギリス亜科
キリギリス属
ヒガシキリギリスか,ニシキリギリスか.

2000年代以降,少なくともヒガシキリギリスと,
ニシキリギリスに分けるべきだと考えられるようになった.

キリギリスは日本の夏から秋にかけてよく見られる昆虫で,
全長約4cmほどの大きな体を持ち,緑色や茶褐色の体色がある.
特徴的なのは長くて細い触角と大きな後脚で,後脚を使って素早く跳び上がる.
鳴き声はオスが翅(はね)をこすり合わせて出す「ギーチョン、ギーチョン」という音で,
これは主にメスへの求愛行動と縄張りアピールのため.
体のトゲトゲした前脚は小さな昆虫を捕まえるのに使われ,
キリギリスは雑食性で植物だけでなく小昆虫も捕食する.
幼虫期の餌は主に種子や花粉だが,成長するとタンパク質源として,捕食行動をとる.
卵は土や植物の根元に産みつけられ,冬を越して春に孵化する.

縦に二本の筋だからキリギリス


豆知識
キリギリスはヒガシキリギリスとニシキリギリスに分類さるようになった.
キリギリスは縄張り性が強く,他個体が侵入すると共食いする.
卵が適切な温度を何度も経験しないと孵化しないため,孵化まで数年かかる場合もある.
また,鳴き声の音色が他の鳴く虫とはっきり区別できる特徴的なもの.

最近の危惧としては,キリギリスの卵が適温の日数や温度変化に非常に敏感であり,
気候変動による異常気象で孵化率が下がるリスクが指摘されている.
特に冬の温度が適切に冷えなかったり,極端に寒い日が続くと卵の発育不良につながり,
個体数減少が懸念されている.

特徴
キリギリスの鳴き声は,
オスが翅をこすって鳴く「ギーチョン、ギーチョン」という独特な音で,
縄張りやメスへのアピールのために鳴いている.
キリギリスの前脚はトゲトゲしていて,小さな昆虫を捕まえるのに使われる.
実は雑食性の捕食者でもある.
キリギリスの卵は冬の寒さを一定期間経験しないと孵化しないため,
孵化に何年もかかる場合があり,近年の温暖化により個体数が減少する恐れがある.
キリギリスは縄張り意識が強く,侵入者に対しては攻撃的になることもある.
これは共食いに発展することもある珍しい習性.
キリギリスは植物の葉や種子だけでなく小さな昆虫も食べるため,
生態系のバランスを保つ役割も担っている.
飼育は個別飼育が望ましい.

ヒガシキリギリス(Gampsocleis mikado)と,
ニシキリギリス(Gampsocleis buergeri)は,
日本に分布するキリギリス属の2種で,見た目や生態にいくつかの違いがある.
特徴的な識別点は以下
分布域:ヒガシキリギリスは本州東部の青森県から岡山県あたりに多く,
    ニシキリギリスは近畿地方から九州,四国にかけて分布.
    境界は兵庫~広島あたりで区分される.
体の形態:ヒガシキリギリスは翅(前翅)が短く幅広く,側面に複数の黒斑がある.
     ニシキリギリスは翅が長く,側面の黒斑は無いか1列だけ.
発音器:ヒガシキリギリスのオスの発音器は,
    ニシキリギリスよりやや大きく丸みを帯びている.
    (関西弁で鳴くとは確認されていない)
生殖下板の形状:オスの生殖下板先端の凹みが,
        ヒガシキリギリスは浅くて中央が深い切れ込み,
        ニシキリギリスはV字型に窪む形状.
体色は両種とも緑色型と褐色型があるが,ニシキリギリスの方が緑色がやや多い傾向.

行動面などでは大きな違いは知られていないが,
両種とも日当たりの良い草地に生息し,オスは発音器で鳴き縄張りを主張する.

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