コジャノメ(Mycalesis francisca)
チョウ目
アゲハチョウ上科
タテハチョウ科
ジャノメチョウ亜科
コジャノメ属
コジャノメ
『チョウなのに暗い所を好み,花には見向きもせず樹液に群がる』
コジャノメは,低地から山地の林に生息する小型のジャノメチョウ.
特徴としては翅の色が落ち葉に似ており,翅の裏面に目玉模様があることが挙げられる.
成虫はあまり花の蜜を吸わず,地面に落ちた果実の汁や樹液を吸うことが多い.
幼虫はススキなどのイネ科植物を食草とし,冬は幼虫の状態で越冬.
日本の本州,四国,九州で見られ,成虫の活動は5月から9月頃までで,年に2回ほど発生.
春型と夏型では目玉模様の発達具合に違いがある.
観察会での豆知識として,コジャノメはヒメジャノメに非常によく似ているが,
翅の裏面の白帯に紫みがかっていることや目玉模様の数が多い(コジャノメは4つ、ヒメジャノメは3つ)ことで見分けられる.
また,コジャノメは薄暗い林の低い位置を好むことなどが挙げられる.
目玉模様は天敵の鳥やヘビから身を守るための擬態として機能している.
現在コジャノメに関して特別な絶滅危惧指定があるわけではないが,
生息環境である里山や雑木林の減少・環境破壊は懸念されている.
近年の日本の里地里山の危機や都市開発による自然環境の劣化は,
多くの在来種とともにコジャノメの生息にも影響を与える可能性がある.
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日陰大好き |
豆知識
産卵行動の舞台裏: コジャノメはスゲ類の葉や茎に産卵するが,
産卵の瞬間は数秒間翅を閉じて静止する.
この短時間の静止行動は,観察時にじっくり観察できる瞬間.
産卵の瞬間は数秒間翅を閉じて静止する.
この短時間の静止行動は,観察時にじっくり観察できる瞬間.
産卵場所の選択: 産卵のためにスゲ類の枯葉や細い茎を選び,
腹端を曲げて慎重に卵を産みつける習性がある.
腹端を曲げて慎重に卵を産みつける習性がある.
擬態の達人: 色や模様が落ち葉に似ていることから,
天敵に見つかりにくいように身を隠すための擬態能力が高い.
静止しているとほとんど気づかれない.
天敵に見つかりにくいように身を隠すための擬態能力が高い.
静止しているとほとんど気づかれない.
比較的静かな活動: 活動中もあまり大きく動き回ることはなく,
葉や枝に静止してじっとしていることが多い.
葉や枝に静止してじっとしていることが多い.
ユニークな翅の動き: 翅を開閉させながら歩く姿や,
静止したときに翅をピタッと閉じる行動は,
コジャノメの特徴的な仕草.
目玉模様は天敵避けの擬態: 翅の裏面にある目玉模様は,天敵に威嚇されたり,
威嚇効果を狙った擬態.見た目の奇妙さが,逃げるための工夫.
静止したときに翅をピタッと閉じる行動は,
コジャノメの特徴的な仕草.
目玉模様は天敵避けの擬態: 翅の裏面にある目玉模様は,天敵に威嚇されたり,
威嚇効果を狙った擬態.見た目の奇妙さが,逃げるための工夫.
幼虫は草食性: 幼虫はスゲやイネ科植物を食べ,
成虫はあまり花に来ず,樹液や腐果を吸う.
成虫はあまり花に来ず,樹液や腐果を吸う.
植物の葉の上だけでなく地表付近でも観察できる.
2025/05/25
岐阜県美濃加茂市山之上町7559番地(みのかも健康の森)
メッシュコード 5337-2002
緯度・経度 35°30'13.8"N 137°01'42.1"E
自分用メモ
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